Murmur...

アラサーといいたくないけど徐々に30の扉が見えてきている女子が好きな音楽を中心にまとまった言葉を語りたいときに語る場所。

Naohito Fujiki Live Tour ver11.1~原点回帰 k.k.w.d tour~@なんばHatch1日目の振り返り(あとで追記します)

藤木直人 原点回帰ツアーの振り返りをひとりでひたすらしています。

いままでに書いた記事はこちら↓

 

***

この流れに乗って、自分が参加したライブの印象的だった場面や

MCを1日1本ずつ振り返っていこうかと思ったのですが、

仕事の書くほうに追われているので、一旦トピックスだけ

あげておきます。

あとで詳細追記していきます。

 

***

2017.9.18 Naohito Fujiki Live Tour ver11.1~原点回帰 k.k.w.d tour~@なんばHatch1日目

セットリスト

1.EXCLUSIVE

2.Little Wing

3.Eぜ

4.Wonderful Days

5.アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック

6.グッド・オールド・サマー・デイズ

7.メドレー(T-ROX〜ティラノザウルス・ロックス〜→Sweet→So Long...→哀しみの花→SAMURAI FUNK→Hallelujah)

8.シュクメイ

9.タイムトラベル

10.コズミックライダー

11.Speed★Star

12.Go for it!

13.サンクフル☆エブリナイ

14.パーフェクトワールド

15.ミチタリタセカイ

16.OH!BROTHER!

17.まっしろいCANVAS

 

ENCORE

En1.anon

En2.陽のあたる場所

 

トピックス的なMCと印象に残った場面

※一旦箇条書きで、あとで内容追記します。

  • 俺のなかで台風はきてないことになっている
  • 卓球大会で2位
  • 大阪はあすかのときに谷町四丁目NHKの近くのホテルにずっといた。今はきれいだけど、当時はぼろぼろの社屋だった、というはなし。タクシーで通って思い出した
  • 大阪は初めてのツアーの初日をやった場所。MUSEホール。そういう意味でも僕にとっては原点。なので大阪でやれてうれしい。
  • 終演後、ピック投げてるときに車椅子席のほうにピックを渡しにいこうとして 舞台落ち。彼のやさしさを見た。

 

箇条書きだとあんまりおもしろさが伝わらない…かも!

後日、思い出しながら彼がしゃべってた風にレポートできたら、と思います。

 

 

 

 

藤木直人と寺岡呼人さんのはなし(後編)~原点回帰tourを終えて、思ったこと

昨日書いた記事の後編です。

前編はこちら↓

mary-sue.hatenablog.jp

 

***

呼人さんが出てきてから割と長いことMCをしていて、前編で書いた以外にも、「デビュー当初と今で変わったこと」の話をしていました。

例えば「LINEで曲についてのやりとりをするようになった」とか。

この話に入る前に呼人さんが

僕、藤木くんとLINE友達です!

とドヤ顔で自慢していて。 会場から「えー!いいなー!」と羨ましそうな声が。笑

 

今回のシングルを呼人さんにお願いするということが決まって、曲の打ち合わせをするために久しぶりに会おうってなった最初の打ち合わせ日が、呼人さんのお誕生日の日だったらしく。

直人さんは、特に狙ってこの日にしたわけではなく、「打ち合わせしましょう」となって、 呼人さんサイドから「このなかのどれかでお願いします」とあがってきた日程の候補のなかにたまたま呼人さんのお誕生日があったんだとか。

しかも、候補日のなかからスケジュールが合うから「ここにしましょう」って返したあとに 「あれ?この日って…」と思って調べたら、呼人さんの誕生日当日だと気付いて…と言っていました。

(「あれ?この日ってもしかして…」と気付いた直人さん、もしくは直人さんサイドの誰かがすごいと思う)

誕生日当日に会うのに手ぶらなのも何だから、とちょっとしたプレゼントをもって打ち合わせの現場に行ったそうです。

(何もらったの~?って聞けばよかったな~呼人さんに。笑)

 

その打ち合わせの場で呼人さんから

藤木くん、LINEってやってる?

と話を振られ、

やってますよ

って言ったら

じゃあ交換しよ

って言って、そこからLINEでの 曲についてのやりとりが始まったそう。

楽曲が完成してからも、たまにやりとりをしているそうです。

こういう話を聞けるのもうれしいな、と思いました。

 

あと、この日の本編の中盤戦のMCのなかで

舞台『魔都夜曲』を呼人さんが観に来てくれて、 「すごいおもしろかったよ藤木くん!」って褒めてくれてうれしかった

という話をしていたのですが、呼人さんの口からも

魔都夜曲おもしろかったよね、あれ!

と客席に振ってきてくれて。

続編があるなら僕もぜひ出してください!

と呼人さん。

直人さん、すかさず

呼人さん、やめたほうがいいですよ、そういう風に言うとうちの事務所のスタッフ 本気にしちゃうから!

と。笑

これに対して

あんまりセリフがない役ならいいよ

と意外と乗り気な呼人さん。

それに乗っかって客席から「チーチャン!」とか「サミー!」とか、あらゆる役名が飛んできてたんだけど(てかサミーはないでしょ。笑)、 呼人さんが拾いきれなくて。

そうしたら直人さんが

もう随分前のことだから!呼人さんは一回しか見てないから、みんなみたいに役名覚えてないから!!!!笑

とツッコむ。笑(ファンの人は複数回観ていると断定していますね…( ^ω^))

そんなおもしろい流れもありました。

 

ふたりで少し話をして、場をあっためたところで(というか既に会場大盛り上がりでしたけど笑)、直人さんが

せっかく呼人さんがステージに来てくれたから…もう1回になっちゃうけど、 この曲やってもいいかな?

と会場に問いかけました。

そうやって言われたらどの曲かもう明白でしょう。

もちろん会場からも「いいよー!」の声が。

そして直人さんは、呼人さんに曲紹介を促しました。

これ、直人さんなりの先輩への気遣いだったのか、段取りになかったようで、 呼人さん「え、俺?」みたいな感じで戸惑っていて、直人さんが

呼人さんが作った曲なんで…せっかくだから。

と促していました。

さくっとタイトルコールするぐらいかな、と思っていたのだけど、呼人さんはこんな風に話し始めました。

僕の誕生日から制作が始まって、藤木くんの誕生日にリリースされたこの曲… ふたりともこの歳になった今だからこそ、この曲ができました。

『コズミックライダー』のときにはご迷惑をおかけしてしまっていたようなので、 今回はちゃんと納期に間に合わせて「スピード仕上げ」しました!笑

それではこの曲…聴いてください。『Speed★Star』!

 

そして本日2度目の『Speed★Star』。

呼人さんもギターを持って、贅沢すぎるトリプルギターな編成での演奏。

Aメロに入る前に3声が1小節ずつズレて入ってハモるところ、 いつもは直人さん→バンドメンバー→直人さんがもう1回、という流れでやっていたのですが、今回は呼人さんがいたから、直人さん→バンドメンバー→呼人さん、と順番に入ってくる流れに。

出だしからこれに感動してしまったわたしです。

サビも呼人さんがハモに入ってくれていて、とてもとても貴重な光景でした。

直人さんも楽しそうで、いつも間奏の「Speed Star~♪」ってメロが流れるところ、 直人さんとけいすけさんがふたりで顔を見合わせて歌っているんだけど、この日は呼人さんが真ん中に入って、歌っているふたりを見てニコニコしていました。

とても微笑ましい光景。

 

曲が終わっても大盛り上がりな会場を見ながら直人さんがこうひとこと。

せっかく呼人さんに来てもらったんだから、これだけで帰ってもらうのももったいないよねえ。笑

もちろん!もったいなすぎる! …なんて話していたところで直人さんがはっとした顔をして

あ、呼人さん待たせちゃ悪いので急いで言うけど、グッズ買ってくださ~い!

…ぬかりない、ぬかりないぞ、藤木直人…。笑(でも雑。笑)

呼人さんがね、今回のツアー遊びに来たいって言ってくださって、 でもお忙しいからどこか日程が合うところあるかな~って思ってたら、 今日なら来れるよ、って言ってくれて。

せっかく観に来てくださるんだったら一緒にステージに上がって演奏してくれませんかって 僕がわがままを言ったら、呼人さんが快くOKしてくれたんだけど…とてもうれしかったです。

なんかこの盛り上がり具合、今日がファイナルみたいになっちゃったね…でも明日もあるんで。

ちょっとお天気が心配だけど、明日も来るよって人は一緒に盛り上がりましょう。

今日のことは……明日来る人には内緒にしとこっか。笑

という言葉と一緒ににかっとハニカミ笑顔。わかってるなあ、この人…。笑

 

再来年は20周年なんで、また派手にやりたいなと思っています

という流れを受けて、呼人さんが

20周年にもせっかくだから何かやれたらいいね

と。

歓喜の声があがる会場を横目に見つつも呼人さんが突如

ちなみに僕!来年50歳ですっ!

と手をあげて宣言。

「えええええええ!?!?!?!?」と会場から驚きの声。

呼人さん若いよね。見えない……。

するとその発言を受けて直人さんが

僕!5年後に50歳ですっ!

と呼人さんのマネをして 手をあげて宣言。

この流れにふたりして顔を見合わせてケタケタ笑ってたんだけど、 ふたりともかわいすぎるなんなのこのおじさんたち。笑(こら)

 

そんな冗談を交えつつも、

もう1曲、この曲も一緒にやりたいと思います!『陽のあたる場所』!

というコールから最後のナンバーへ。

アンコールのここで出てきたから、こうなると思っていたけど、 やっぱり来たよ~!!!!!!!

17年待ち望んでいたコラボレーションをとうとうこの目で見れる日が…。

冒頭からうれしすぎて、笑ってるんだけど目からは涙みたいなよくわからない状況でした、わたし。笑

 

1番は呼人さんが、2番は直人さんが歌い、サビはメインを歌っていないほうがハモりに入るという構成。

呼人さんが歌っている後ろで直人さんがハモりのパートを歌っているという光景が、とても新鮮に感じられました。

2番終わりで、ブリッジの部分を本当は直人さんが歌う段取りだったのかな?それともちゃんと決めてはいなかったのかな?呼人さんが直人さんに目配せをしていて、 ここでも直人さんが呼人さんに目で歌うように促していました。

「ガラスのような~」のブリッジ部分から、「愛する人よ 僕は旅立つ」のところも呼人さんが歌ったのですが、本来「愛する人よ 僕は旅立つ」と始まる鍵盤と歌だけのところで異変が…。

 

なんと呼人さん、即興で歌詞を作ってこの場への感謝の気持ちを歌ってくれたのでした。

あまりに突然の出来事だったので、なんとなくしか覚えていないんだけど、こんな感じのことを歌っていたかと思います。

藤木くん 今日はありがとう

ひさしぶりに一緒に 歌えてよかったよ

20周年も 一緒にやれたらいいね

お客さんたちも 本当にどうもありがとう

(出だしにびっくりしすぎて後半2行は本当に曖昧…もしかしたら全然違うかも。 そしたらすみません)

とにかく、呼人さんから今日のこのステージへの感謝の気持ちが述べられていました。

この言葉を受け取れて、わたしたちもとてもうれしかったです。

そして、この言葉をもらったことで藤木直人寺岡呼人のコラボレーションは、また見られる日が来るような気がして。

奇跡の瞬間に感動しながらも、もうすぐ終わっちゃうこの曲にちょっとの切なさを感じつつも、きっと未来にもまたこういう瞬間は来るんじゃないかなという期待を込めてくれたことにとてもありがたいなと思ったのでした。

 

曲終わり。ギターを下ろして、ふたりでハグ。

そして呼人さんも加わったメンバー全員でお辞儀をして、直人さんの肉声での

どうもありがとう!

の言葉をもらって、この日のステージは幕を下ろしたのでした。

 

***

今回のツアー、割とおもしろいMCをいくつか聞けたなと思っているので、思い出しつつそれもまとめられたらいいな~と思っています。

書く時間をとれるかな…と思いつつ、がんばってみます。

 

 

 

 

 

藤木直人と寺岡呼人さんのはなし(前編)~原点回帰tourを終えて、思ったこと

つい先日書いた、この記事。

mary-sue.hatenablog.jp

すごくたくさんの方が(特に黒沢健一さんのファンの方が)読んでくださったようで、そしてさらにシェアまでしてくださったようで、とても驚きました。

たぶん自分の今までのつぶやきのなかで一番「いいね」されたような気がします。

改めて、黒沢さんがたくさんの人に愛され、そして想われているのだということを感じました。

 

***

ツアーが終わると語りたくなるシリーズPart2。

今回は、寺岡呼人さんとのエピソードの話をしたいなと思います。

 

Naohito Fujiki Live tour ver11.1~原点回帰 k.k.w.d tour~@横浜ベイホール1日目の公演にて、アンコールで寺岡呼人さんがステージに遊びにきてくれました。

 

寺岡呼人さんといえば、わたしたち世代にとっては「ゆずのプロデューサー」の印象が強いのです。

リアルタイムで活躍されている頃は知らないけれど、JUN SKY WALKER(S)の方だっていうのも知ってはいます。

でもやっぱり、藤木直人の音楽活動を初期から知っている人たちからしたら、「藤木直人の音楽活動の骨格をつくってくれた存在」なんだと思うのです。

 

 

***

わたしが藤木直人のライブに行くようになったのは、ver2.0~Hop!Step!BUMP!渡り鳥越冬編!!~から。

(ver1.0~ギターを抱いた渡り鳥~は、チケットがとれなかったんだな、ファンクラブに入るタイミングがちょっと遅くて…)

この頃は藤木直人の持ち歌がまだ少なくて、洋楽のカバーメドレーをやってみたり、寺岡呼人さんの曲をカバーしたりしていたのでした。

ちなみにver2.0のときは、「これが僕の愉快なヒューマンライフ」と「陽のあたる場所」をやっていたな。

この2曲がライブの定番となりつつあったから予習をしよう、と思っても本人が歌っている音源はない。

さてどうする?って言って、たどり着いた答えは呼人さんのアルバムを買って予習をすること。

いまのわたしがよくやる「何かひとつのきっかけから、他の人の音楽を掘っていく」というのはこの頃に培われたものなようです。笑

 

そんな話はさておき、当時のわたしは音楽プロデューサーがどんなことをしている人かなんて全然知らなかったけど、いま耳で聴いてるこの曲のメロディーをつくって、歌詞も書いて、この曲の形に仕上げてる人ってことはすごい人なんだ!みたいな認識でした。

もはや子どもの頃の記憶なのでうろ覚えなのですが、たしかFM YOKOHAMAでやっていた直人さんのレギュラー番組「NEO FREAKS」に一回ゲストに来てくれたことがあって、そのときの話だったりとか、ライブで呼人さんの話をする直人さんを見ていて、彼が呼人さんを慕っていたのもよく伝わってきていたし、一度でいいから直人さんと呼人さんが一緒にステージにいるところをみたいな、なんて思ったりもしていました。

 

そんな風に思っていた矢先にそんな日が実現したのです。

それが2001年の8月27日。渋谷La.mamaで行われた「Golden Circle vol.00」でした。

本当に行きたかった。このライブ。でもやっぱりチケットがとれなかったのです。

(…というか、この記事を書くために改めてちゃんと情報調べて驚いた。La.mamaだったんですね。そりゃチケットとれん。わたしのうろ覚えな記憶だとO-nestあたりかと思っていた。笑)

 

この日、チケットがとれなくて悔しくて悔しくて、でもストリーミングでリアルタイムで配信するよってなったので、わたしはPCにかじりつくようにして見ていました。

当時はまだダイアルアップ回線でインターネットを繋いでいた我が家。もちろん、次の月の請求がすごいことになって、親に怒られました。苦笑

そんなのおかまいなしに、画面越しにみた寺岡呼人+藤木直人の「陽のあたる場所」。

「いいなー、やっぱり行きたかったな」って思ったよね。思うよ、そりゃ。

またいつかこんなコラボを、今度は自分の目で、目の前で見れる日が来るかな。そんなことを夢見たりもしていました。

 

だけども、その頃から藤木直人のプロデューサーは寺岡呼人さんからシライシ紗トリさんに変わり。

そのあとも何度か楽曲の提供をしてもらったりはしていたものの、「ライブで共演しているところを見る」という夢はもう叶わないんじゃないかなあ、なんて諦めかけてしまうぐらいにちょっと遠いところに行ってしまったような気がしていたのです。

 

***

そして時は流れ2017年。

シングルとしては17年ぶりに自身の誕生日にリリースされることが発表された『Speed★Star』。

表題曲が寺岡呼人さん提供という情報が出たときに「おおっ」と思ったし、リリース前に呼人さんのラジオ番組「TERAOKA MUSIC」に直人さんが出演したり、実際にCDがリリースされて、FC限定盤のDVDに収録されているふたりの対談のなかで「ライブに遊びに来てくださいよ」って言っている模様を見て、心が躍ったりもしていたのでした。

 

でも、いざツアーが始まって、スペシャルゲストが来るならここだろう、と思っていた豊洲PIT公演の日程をよくよく見たら、呼人さん自身のツアーの初日とかぶっていて。

「あー、豊洲に来れないなら今回のツアーも来ないのかな…」なんて思って、期待しちゃだめだ、と思うことにしたのでした。

 

***

そして1ヶ月半のツアーはあっという間にファイナルの横浜2daysへ。

純粋に今回のツアーのひさしぶりのライブハウス独特な雰囲気と、その雰囲気にあわせたセットリストがとても好きで、楽しんでいたら、アンコールでいつもだったら最後の挨拶をするのに、直人さんがちょっと舞台袖を気にしながら

実は今日……スペシャルゲストがいて……いい?みんな、驚いてね?

スペシャルゲスト!寺岡呼人~!!!!

って直人さんが呼び込んで。そして呼人さんが出てきたのです。

 

…わたし、頭のなかまっしろ。そして無意識のうちに叫んでいました…。笑

 

こんな日が突然来るなんて。

いつか来るといいなと思いながらも、半ばあきらめていた日が来てしまうなんて。

しかも、よりによって(という言葉をここで使うのは正しくないんだけど、あえて使います)この日、今まで何十回と足を運んできた藤木直人のライブのなかで一番良い場所で観れた日でした。

これは本当のことなの?夢なんじゃないかな?なんて思ったりした。

なんて考えている間にふたりがどんどん話を始めるから、これは現実だ、ってすぐ目が覚めたけれど。笑

 

呼人さん、出てきて早々

藤木くん、MCうまくなったね~昔はひどかったよねえ!笑

と今の彼を褒めつつも、プロデュースしていた当時の彼を愛たっぷりに貶す…ステージ上で。笑

直人さん、めっちゃ苦笑い。

直人さん曰く、呼人さんはプロデュースしてくれていた当時、大阪(だったはず)で一度ライブを観に来てくれてたこともあるんだけど、そのときは挨拶しただけで一緒に演奏したりはせず…だったそう。

その話の流れからデビューして間もない頃を振り返って

呼人さんがプロデュースしてくださっていた当時、僕はまだ持ち歌が全然なくて。でもライブをやらなきゃいけないってなったら曲がないといけないから、呼人さんの曲を何曲かカバーさせてもらったりしてたんだけど。さっき(この日の序盤)やった『君を見つめてた 月が照らしてた』もそうだし…あたかも自分の曲のように歌ってましたけど。すいません。笑

その話を受けて呼人さんが

でも、ここに呼ばれるまで僕もそこ(関係者席)でライブを観させてもらいましたけど、『コズミックライダー』のフリとか、みんなすごい揃っていて、すごく盛り上がっていて、もうずいぶん昔につくった曲なのに、こうやってみんなに愛されているっていうことを実感できて、僕もうれしかったです

と。

すると直人さん、さっきのMCに対するダメ出しに仕返しせんとばかりにこんなエピソードを披露してくれました。

『コズミックライダー』といえば、呼人さん、覚えてます?笑

この曲、僕が曲をつくって、呼人さんが「俺、詩書くよ」って言ってくださって、呼人さんから詩が上がってくるのを待っていたんだけど、全然上がってこなくて。この曲を作った頃にやっていたツアーで演奏するって決まってたんだけど、ツアーの初日までに歌詞があがってこなくて、最初に曲を書いたときに一応僕、歌詞も書いていたんで、その僕が書いた歌詞でツアーの最初の頃は歌ってたんですよ。

それで、途中で呼人さんから詩があがってきたんだけど、もう何回かライブで演奏しちゃってて、自分の歌詞に慣れてきちゃってた頃だったから、呼人さんの歌詞を覚えるのが大変で…!笑

これには呼人さん自身も苦笑い。

そんなことあったっけ?…いやいや、その説はご迷惑をおかけしました。(ぺこり)

…でもそのときにかけた迷惑の代わりに、今回の『Speed★Star』は「スピード仕上げ」しましたんで!笑

と言って会場の笑いをとります。

呼人さんが出てきて、昔話をしていた流れで、先述の『Golden Circle』の初回に出演したときの話もしていたのですが、この話に対しても、直人さんが呼人さんへこんなことを言います。

さっき話していた『Golden Circle』に出たときも…呼人さんがMCで「藤木くんは人妻もいける?どう?」みたいなことを言ってきて。笑

僕、そのときまだ若かったし、あんまりうまいこと返しができなくて「う、う~ん…?」なんて曖昧な返しをしてしまったんだけど、そうしたらこの時のライブがストリーミングか何かで生中継されていたみたいで。

その発言を聞いて「なんだ藤木」って若干炎上したんですよ、僕!!!笑

もう16年も前の話なのに覚えてることが細かい!笑

これには呼人さんも驚いて

そんなこと言ったっけ俺…藤木くん、よく覚えてるねえ!

きっとものすごい嫌な思いをさせたんでしょうね…ごめんね…笑

と。笑

 

***

このあと、実際に一緒に演奏をする流れにいくのですが、ちょっとテキストが長くなりすぎたので、一旦区切って明日にでも後編をまとめようと思います。

わたしの想いの前段が長すぎたかな、と反省…。笑

気が向いたら後編も読んでいただければうれしいです。

 

 

 

 

藤木直人とL⇔R黒沢健一さんのはなし~原点回帰tourを終えて、思ったこと

藤木直人2年ぶりのツアー、Naohito Fujiki Live tour ver11.1~原点回帰 k.k.w.d tour~が終了しました。

ツアーが終わるとありがちな、ネタバレ解禁と同時にいろいろと語りたくなるやつです。笑

印象的だったエピソードを、ちょっと時間ができたときにぽつぽつと、忘れないようにメモしていけたらなあ、と思います。

 

***

藤木直人から語る、L⇔R黒沢健一さんのはなし」

 

今回のツアー、セットリストの中盤に『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』と『グッド・オールド・サマー・デイズ』が入っていました。

アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』は多くの人も知っているでしょう、L⇔Rの名曲を藤木直人が2004年にリリースしたミニアルバム『夏歌ウ者ハ冬泣ク』でカバーした曲。

そして『グッド・オールド・サマー・デイズ』は、黒沢健一さんがこのアルバムのために書き下ろしてくれた楽曲です。

 

『アイネ・クライネ~』は割とここ最近ライブツアーをやるってなるとよく入ってきていた、『定番』といってもいいぐらいな曲。

今回のツアーは、ちょっとファンクっぽさもあるアレンジにしていて、これまたかっこよかったのでした。

 

この曲でひとしきり盛り上がったあとに、MCで直人さんは毎回、L⇔R黒沢健一さんへの哀悼の意を述べていました。

わたしが今回のツアーで足を運んだのは、大阪1日目と豊洲2days、そしてファイナルの横浜2days。

毎回毎回、ちょっとずつニュアンスは違ったけれど、こんなことを述べていました。

僕はデビューしてからしばらくは寺岡呼人さんにプロデュースをしてもらっていて。

そのあとはシライシ紗トリさんにプロデュースしてもらって、って割とずっと同じ人にプロデュースをお願いしていたんだけど、2004年に『夏歌ウ者ハ冬泣ク』ってミニアルバムをリリースするときに、今回は今までと違った感じで、他のアーティストの方にもプロデュースをお願いしようってなって。

そのときに、何組か自分の好きなアーティストの方、やってみたいアーティストの方の名前を挙げさせてもらって、そのなかにL⇔R黒沢健一さんもいて。

L⇔Rの曲はずっと好きだったし、いい曲たくさんあるから好きな曲もたくさんあったんだけど、『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』の黒沢さん独特な世界観が特に好きで。

「カバーさせてもらえませんか」ってお願いしたら快諾してくれて。

それだけでもうれしかったんだけど、さらにこのアルバムに曲まで書き下ろしてくれて。

当時の思い出を、言葉を選びながらもしみじみと振り返りつつも

そんな黒沢さんが、去年の10月に病と闘っているというニュースが出て。

僕もびっくりして。そうしたら、その2ヶ月後ぐらい…12月5日にお亡くなりになって。

もちろん命に優劣なんてないんだけど、才能のある人が、まだ48歳…そんなに若くして亡くなってしまうなんて。ってすごく悔しくて。

僕ともそんなに歳も変わらないし、すごくいろんな気持ちになって。

でも、本当に素敵な曲をたくさん作っていた方だから、きっと黒沢さんがいなくなってしまっても、L⇔Rの曲たちはこれからもずっとたくさんの人に愛されていくんだと思うし、僕もこうやってカバーさせてもらったからには、黒沢さんの魂を継いで、これからもこの曲を歌い続けていきたいなと思いました。

話しぶりと表情から、彼の黒沢さんへの想いと悔しさ、悲しさ、いろんな気持ちが伝わってきました。

 

大阪1日目には、こんな話もしてました。

今回、『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』を歌うって決めて、改めて歌詞を見返していて、ふと「この曲を黒沢さんはどういうことを書いて思ったんだろう」って気になって。

洋楽だと曲についての考察とかが、本とかネットとかに載ってたりするから、そういうのあったりしないのかなと思っていろいろ探してみたんだけど見つからなかった。

でも、その情報を探してたときに「『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』を藤木直人がカバーしてる」って文字が目に入ってきて。

俺じゃん、って思って。

ここから先を見るかどうか一瞬悩んだよね…。笑

でも「意外とよかった」って書かれていてほっとしました…。笑

と、最後は安定のちょっぴり自虐ネタにもっていって笑いに変えてしまっていたけれど、今回のツアーで、黒沢さんのことを想いながら歌うにあたって、黒沢さんがこの曲で何を表現していたのか、調べたりもしていたようです。

真面目な彼らしいな、と思いました。

 

あっという間に曲の世界観に飲み込まれ、身体を揺らすことができる『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』と、ちょっとAORっぽい(…と言っていいのかしら、わたしあまりジャンルをピンポイントで述べることができないんだけども)ナンバーな『グッド・オールド・サマー・デイズ』。

それぞれベクトルは違うけれど、ライブ会場の空気をあたためるにはとてもぴったりな素敵なナンバー。

『グッド・オールド・サマー・デイズ』を聴くと、わたしは富士急ハイランドコニファーフォレストでのライブ、ver5.1を思い出します。

突き抜けるような夏の青い空を見ると、わたしはこの曲をつい口ずさんでしまうことが多々あります。

確実に、黒沢さんがつくったサウンド、そしてこの曲に込めた魂は、わたしのなかにずっとずっと、生き続けていくのだと思います。

わたしだけじゃなく、この曲を知っている人、藤木直人のファンの人、そして藤木直人自身にも。

そんなことを、この曲を聴きながら、演奏する彼とバンドメンバーを見ながら、感じていました。

 

『グッド・オールド・サマー・デイズ』が終わったあと、彼は毎回毎回、とても深く頭を下げていました。

ステージが暗転してからもしばらくずっと。

横浜1日目は運よく2列目でライブを観たのですが、曲が終わってお辞儀をする瞬間に唇をきゅっと結んで頭を下げ、暗転してからもだいぶ長いこと頭を下げたままでした。

ファイナルの横浜2日目は、アウトロの坂さんの鍵盤を聞きながら、そして自分もアコースティックギターを奏でながら、会場の天井のほうを見つめ、キリっとした表情を浮かべていました。

その表情を見て、わたしは蜷川幸雄さんが亡くなったあとに行われた舞台『尺には尺を』のカーテンコールでの彼の顔を思い出したのです。

あのときと、同じ顔をしているような気がして。

だから、もしかしたら、黒沢さんに向けて何かを伝えていたのかもしれないな、なんて思ったのでした。真意はわからないけどね。

 

***

わたしにも、藤木直人はもちろん、ほかにも好きなアーティストがいます。

その人たちが新しい楽曲を生み出してくれるのが、そしてその楽曲たちと一緒に人生を歩んでいけるのが、生活の片隅にその人たちの曲があるのが、わたしが幸せだなと感じる瞬間のひとつでもあります。

活動休止とか、解散とか、そういうことで新しい音楽が生まれなくなってしまうこともあるかもしれないけれど、『音楽家』として生きている人は、その道からフェードアウトしない限りは、何かしらの形で音楽でその人の生きざまを伝え続けてくれているような気がします。少なくとも、命がある限りは。

 

それが止まってしまうのが…不意の出来事だと「止められてしまう」と言ったほうが正しいのかもしれないな、と思ったりもするのだけど…『死』なのかな、と感じました。

動いてる姿が見れない、歌っている姿が見れない、そういう悲しみはもちろんあるんだけど、それ以上にきっと、時を経てじわりじわりと悲しみが襲ってくるのが、「新しい楽曲と出会えない」ということなのかもしれない、とも。

いつかは来てしまうのかもしれないけれど、自分の好きな人たちにも、人間として生きている以上はいつか来てしまうその瞬間。

どうやったってうまく向き合えないし、想像しただけで悲しくなってしまう。

 

 

わたしは、『夏歌ウ者ハ冬泣ク』で藤木直人が『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』をカバーしたことで、L⇔Rを知りました。

(テレビなどでリアルタイムで流れていたときは、微妙に物心がついていなかった頃でした。そんな世代です)

この頃のわたしは、彼が寺岡呼人さんの曲をカバーしてたら呼人さんの楽曲を掘りにいき、BOΦWYが好きだって聞いたらBOΦWYを聞いてみたり、そんな傾倒の仕方をしていました。

だから、もちろんその流れでL⇔Rも自分のプレイヤーのプレイリストのなかに入るようになったのでした。

なのでわたしも、ファンの人と比べたら本当に足元にも及ばないけれど、2016年10月のニュースには衝撃を受けたし、12月の訃報には心をかき乱されたのです。

ニュースを見た日はずっと、L⇔Rを聞いていました。

そのあとも度々、黒沢さんのサウンドが聴きたくなって、L⇔Rの曲や、先述の藤木直人の曲を聴いています。

 

こうやってひとりでも多くの人が「忘れないこと」が、「忘れたくない」と思う人がいることが、黒沢健一さんのすごさなのだなとも思いました。というか、今も思っています。

 

だから、直人さんにはこれからも『アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック』と『グッド・オールド・サマー・デイズ』を、毎回両方を歌うのはツアーの頻度とボリューム的には難しいかもしれないけれど、どちらかは歌い続けていってほしいなと思いました。

そしてそれを見て、黒沢さんが喜んでくれていたらうれしいな、なんて思ったりもしたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

秦基博 LIVE AT YOKOHAMA STUDIUMを観て気付けたこと。

2017年5月4日。

秦基博 LIVE AT YOKOHAMA STUDIUMを観に、横浜スタジアムへ行った。

ゴールデンウィークももう終盤に差し掛かっているけれども、

このライブで感じたことがどうしても忘れられなくて、

きっとこのままだと2017年に観た(これから観る)ライブのなかでも

かなり印象的なライブとしてわたしの心のなかに

刻まれるような気がしたので、記しておこうと思ってひさしぶりにPCの前に向かった。

※あくまで個人的な感情・想いも含まれた記事になると思うので、ご理解いただけると幸いです。

 

まずは、セットリストを備忘録変わりに記しておこうと思う。

2017.05.04 秦基博 LIVE AT YOKOHAMA STUDIUM セットリスト

<第1部>

1. 今日もきっと

2.SEA

3.キミ、メグル、ボク

4.Girl

5.虹が消えた日

6.水彩の月

7.プール

8.青

9.Halation

10.花咲きポプラ

11.スミレ

12.スプリングハズカム

13.言ノ葉

14.水無月

 

<第2部>

1.アイ

2.シンクロ

3.Sally

4.嘘

5.未発表曲(Panasonic CMソング)

6.Dear Mr.Tomorrow

7.風景

8.グッバイ・アイザック

9.Q&A

10.透明だった世界

11.朝が来る前に

12.ひまわりの約束

13.鱗

 

<アンコール>

1.月に向かって打て

2.70億のピース

 

このセットリストを見たときに、人それぞれ、感じることは違うのかもしれない。

わたしは、この10年、気が付けば秦基博の楽曲がそばにいたんだなということに気付かされた。

いや、気付くのが遅すぎたぐらいかもしれない。

なんでこの日まで気が付かなかったのか、自分でも意味がわからないんだけど、

多分、彼の楽曲があまりにも生活のなかに溶け込みすぎていて、寄り添ってくれていることにさえ気が付かないぐらい自然と隣にいたからなのかな。

そんな風に思ったりもした。

 

 

わたしが秦基博の音楽と出会ったのは、2007年のオーガスタキャンプ。

あの日、『鱗』を聴いたときの鳥肌のたちっぷりったら笑ってしまうほどで、スガシカオ先輩が呼び込んだ大雨・雷雨の思い出とともに、とても印象に残っている。

当時のわたしは、大学に入学して数カ月経ったころ。

第一志望の大学に入れたわけでもないし、なのに片道2時間半もかけて通っていて、そのせいでいろんなことがうまくいかなくて、まさに「いろんな言い訳で着飾って 仕方ないと笑っていた」ころだった。

オーガスタキャンプで彼の歌を聴いたその瞬間は、声のすごさに驚き震えたけれど、潜在的にはこの楽曲自体の歌詞にも惹かれていたんだと思う。

オーガスタキャンプから数カ月後にリリースされた『コントラスト』をすぐに買って、何度も何度も聴いていた。

「鱗のように 身にまとったものは捨てて」

そんな風になりたいな、なんて思いながら。

 

そこから、自分自身のことでいっぱいいっぱいで、少し彼の音楽と距離を置いた時期も1年ほどあったけれど、新たな作品が生まれるたびに、リアルタイムでそれを手にとり、自分のプレイリストのなかに加えていっていた。

ほぼ10年もそんなことをしていたから、生活の一部となっていた。

秦基博の音楽を聴いている」ということに、何の疑いももたず、当たり前のようにすぐそばに彼の楽曲がいた。

いや、むしろ「いる」ということを意識すらしていなかった。

 

* 

 

そんなわたしは、流れたときの長さに実感をもてぬまま、横浜スタジアムに来てしまった。

「秦さん、10周年なのかあ」

2016年のオーガスタキャンプでもお祝いしたはずなのに、いまいち実感がわかぬままライブが始まってしまった。

 

でも、ステージに出てきた秦基博を見ていたら、特に2016年のオーガスタキャンプで浜端ヨウヘイと松室政哉と歌っていた『虹が消えた日』を彼がひとりで歌っている姿を見たら、10年という時をしっかりと踏みしめ歩んでいたことを痛感させられた。

秦基博の10年の歴史のなかでは比較的初期にあたるこの曲。

この曲を受け止める側のわたし、何も変わってないような気がして、なんだか少し切なさを覚えた。

『プール』、『青』。比較的初期のころの曲を歌う今の秦基博を見ていても、そんなことを感じてしまった。

 

水無月』を合唱して第1部が終わった時点ではまだ、秦基博の本当のすごさに気付けていなかったと思う。

日が傾き、風も出てきて少し寒くなってきた横浜の空。

この時はまだ、「第1部がGREEN MINDで、第2部でバンドのほうが寒くてもあったまるのになあ」なんて思っていた。

そのことばが頭のなかに浮かんでいたことに、第2部が始まった瞬間から後悔した。

秦基博の本当のすごさを見せつけられたのは、ここからだったから。

 

第2部序盤で、メジャーへの第一歩を踏み出したデビュー曲『シンクロ』を、このタイミングであえてボサノヴァ調にアレンジしてきたこと。

ちょっと意外だったけれど、ここに第2部の指針が示されていたのではないかと今となっては思う。

ループマシンを使った『嘘』で見せたダークサイドな秦基博

『グッバイ・アイザック』『Q&A』『透明だった世界』と、第1部でバンドでやっていてもおかしくないナンバーを、ひとりでステージで見せつける姿。

きっと、ギター1本と自分の声を使って勝負する秦基博の印象が強い人からしたら、意外な姿だったのではないかと思うが、弾き語りで10年勝負してきたからこそ、見せることができる新たな一面なのではないかと私は感じた。

淡々とループマシンに音を、リズムを刻み、その場で楽曲を生み出していく様。

GREEN MINDを続けてひとりで演奏することを極めてきた彼が行き着いた新境地は、なんだかとても奥が深くて、『嘘』のアウトロでとても熱を帯びているのに黙々と、淡々とバスタムを叩く彼の姿に、私はなんだかぞくっとした。

 

そんな新しい一面を見せながらも、第2部の一発目に『アイ』をもってきたり、第2部を『ひまわりの約束』からの『鱗』で締めたりと、アニバーサリーだからこそ外せない部分は外さない。そんなところに、彼のやさしさを感じた。

とはいえ、休憩時間明けのまだお客さんが客席に戻りきっていないところで『アイ』をやるあたりに彼のSっ気というか、自信を感じたけれども。笑

 

 

…なんて、数日経ったからこそ、こうやってライブの感想を語れるのだけど、当日の私の心はぐらぐらと揺れていた。

個人的には、『Dear Mr.Tomorrow』と、『ひまわりの約束』で溢れ出る感情が抑えきれなくて、嗚咽を堪えるのに精一杯だった。

この2曲、「秦基博の曲で好きな曲は?」って聞かれても、今までに自分の頭のなかには出てきたことのない曲だったし、『ひまわりの約束』は特に、ドラえもん効果によるロングヒットのこともあってか、メディアで触れる機会が多すぎて、自分であえて聞くということは、正直なところあまりしていない曲だった。

なのになんで?と思いながらも、「だからこそ」こうなってしまったのかもしれないと今となっては思う。

 

私はこの日の『Dear Mr.Tomorrow』で、自分自身が心の奥深くで考えていたことに気付かされてしまったし、『ひまわりの約束』で、秦基博の楽曲が自分でも気付かないぐらい生活の一部に、人生の一部として存在していたのだなということに気付くことができた。

彼の歌は、頭で聞く歌ではなく、直接心に語りかけてくる。

彼がステージにひとりで立ち、歌う様は、自然体なようで彼自身の芯の強さを歴然とあらわしている。

彼がひとりでステージに立つ姿を見慣れすぎてしまっていて、それが当たり前になっていて、私はそんな彼の強さを見抜けていなかったらしい。

…というか、「見抜く」ということすらしようと思わないぐらい、彼がそこにいることが「日常」となってしまっていたのかもしれない。

10周年の集大成となるライブを観るまで、そんなことに気が付けないなんて、私は愚かだなと思った。

そして、今さらながら気付いた、自分の心の片隅にいた、彼の音楽にすがりついていた自分の姿に気付いてしまい、彼と彼の音楽の強さに、そして自分の弱さにただただ涙が止まらなかった。

秦基博の紡ぐ言葉を、秦基博が生み出す音楽を、こんなにも大切に思っていた自分をもっと大事にしよう。そう思った。

 

 

そんな自分のなかでの彼の大きさに気付いたあとのアンコールでの「月に向かって打て」を歌う秦基博の姿。

なんだかかわいらしく見えてしまった。笑

「本当は野球選手になってここに来るはずだったんだけど」と笑いながら言っていた彼。

横浜スタジアムにたどり着いたときの姿は、あの日思い描いていた姿とは違ったかもしれないけれど、25000人に感動を、笑顔を与えられる今のあなたは、間違いなく誰かにとってのヒーローなんじゃないかなと思った。

最後に歌った「70億のピース」で観客が灯した光を見て、彼は何を思っただろう。

あの日灯された光の数だけ、いや、あの日の空に輝いていた星の数ほど数多くの人に秦基博の歌は届いているし、そしてこれからもさらに届いていくのでしょう。

10周年という節目をひとつ迎えた秦基博がこの日の横浜スタジアムで見せてくれた『過去』と『現在』と『未来』。

『未来』のさらなる先に何が待っているのか、わくわくしながら、自分自身も前に進もうと思った。

 

 

 

 

 

【MUSIC VIDEO検証3】Anly+スキマスイッチ「この闇を照らす光のむこうに」にMUSIC VIDEO的表現はどれぐらい出てくるのか

岡崎体育「MUSIC VIDEO」に出てくる表現が、実際のミュージックビデオで

どれぐらい使われているのかを検証していくシリーズです。

(どれぐらい続くのかは未定)

 

前回はスキマスイッチ「view」のMVを検証しました。

【MUSIC VIDEO検証2】スキマスイッチ「view」にMUSIC VIDEO的表現はどれぐらい出てくるのか

 

今回は、ちょうど

Anly+スキマスイッチこの闇を照らす光のむこうに」のミュージックビデオが

公開されたので、これを題材に検証してみようと思います。

 

www.youtube.com

 

フルver.の公開はない状態なので、公開されているshort ver.での

検証となりますがご了承ください。

(テレビなどでオンエアされた際にチェックができたら、フルver.での

結果を更新しようと思います)

 

「MUSIC VIDEO」に出てくる表現一覧はこちら↓

たまにものすごくくだらないことをしたくなること、ありませんか?

 

日曜22時半からオンエアされている日テレ系ドラマ

視覚探偵 日暮旅人」の主題歌となっているこの楽曲。

ソニーミュージック系という大枠でいえばレーベルメイトではあるものの、

ライブでの共演経験もなく、年代も違うこの2組がタッグを組んで

楽曲を制作・リリースするというニュースには、意外性と驚きが

あったかと思います。

二組の共通点…NARUTOの主題歌経験があるところかもしれませんね。

スキマスイッチLINE」「星のうつわ

Anly「カラノココロ

ちなみに「カラノココロ」のレコーディングメンバーには、

スキマスイッチファンならお馴染みの村石雅行さん(Dr.)と

種子田健さん(Ba.)がおりますよ。こちらも注目。

 

…そんな余談はさておき、「この闇を照らす光のむこうに」に出てきた

『MUSIC VIDEO』的表現を紹介していこうと思います。

 

・スロー

冒頭の子どもたちのシーンにはじまり、ちょこちょこスローをかけている

シーンが登場。

 

・モノクロの映像

冒頭の子どもたちが高台にのぼっているシーンがモノクロではじまり、

カラーの映像に切り替わってます。

 

・淡い映像

全体的に淡いトーン。光が時々差し込む様子が印象的。

(個人的にはこのトーンの映像好きです)

 

・女の子が倒れる

幼少期のAnlyさん役の子、そしてAnlyさん自身も横たわっているシーンが

サビの前後で登場します。

 

・歌詞を画面いっぱいに貼り付ける

ドラマの世界観をうけてつくった歌だからか、歌詞が浮かび上がっては

消えていくギミックがところどころに入っています。

(きっとフェードアウトして消えていっている2番以降にも入っているの

ではないかなと…)

 

というわけで上記5点でした。

意外と当てはまりそうで当てはまらないカットが多かったような気がします。

個人的には、アーティストソロカットでヨリでカメラ目線で歌うシーンとか、

スポットで使われているCGで雪?光?を降らせるシーンとか、何もない

空間でひとり佇んで歌う姿とかも、常套手段な気はしているのだけど。

ベタすぎて歌詞に入れなかったのかな…?笑

 

*  

 

MUSIC VIDEO検証結果(2017年2月11日現在)

※赤字部分は今回更新箇所

    1. カメラ目線で歩きながら歌う 1
    2. 急に横からメンバー出てくる 1
    3. カメラを手で隠して次のカットで場所移動
    4. 倍速 1
    5. スロー 3
    6. コマ撮り 1
    7. モノクロの映像 1
    8. 淡い映像 2
    9. ザラついた映像
    10. 分身
    11. 女の子が泣く
    12. 女の子が踊る 1
    13. 女の子が窓にもたれかかる
    14. 女の子が倒れる 1
    15. 2分割で男女歩いて最終的に出会う
    16. 仲良い人やお世話になっている人を別撮りで歌わせる
    17. 何台かのテレビから砂嵐
    18. 見習いっぽいやつ店の前で落ち込む
    19. オシャレな夜の街
    20. 光がボケる
    21. 果物もってる 1
    22. ケーキを顔面にぶつける
    23. 歌詞を画面いっぱいに貼り付ける 1
    24. ビンタ
    25. 交差点に立つ
    26. オフショットで笑顔
    27. 壊す 1
    28. 燃やす 1
    29. フェンス越しに儚げな顔
    30. 浜辺を歩く 1
    31. 何らかのキャラクター
    32. 何かをひたすらこぼす
    33. 外でギター弾いてるけど電源引いてない 1
    34. 何かを拾って振り返る 

 

 

 

     

    【MUSIC VIDEO検証2】スキマスイッチ「view」にMUSIC VIDEO的表現はどれぐらい出てくるのか

    岡崎体育「MUSIC VIDEO」に出てくる表現が、実際のミュージックビデオで

    どれぐらい使われているのかを検証していくシリーズです。

    (どれぐらい続くのかは未定)

     

    前回は欅坂46「二人セゾン」のMVを検証しました。

    【MUSIC VIDEO検証】欅坂46「二人セゾン」にMUSIC VIDEO的表現はどれぐらい出てくるのか

     

    今回は「MUSIC VIDEO」がリリースになる以前のMVを観てみようと思います。

    誰にするか悩みましたが、しばらくは前のアーティストの最後の文字から

    繋いでいく(要するにしりとり方式)にしようかと思い、

    「す」から始まるアーティスト…

     

    となったら、自分の好きなアーティストでこの文字から始まる人がいました。

    スキマスイッチ

     

    …ということで、今回はスキマスイッチ「view」を題材にします。

    www.youtube.com

     

    「MUSIC VIDEO」に出てくる表現一覧はこちら↓

    たまにものすごくくだらないことをしたくなること、ありませんか?

     

    2003年7月9日にリリースされたスキマスイッチのデビューシングル

    である「view」。

    「伊豆じゃなく焼津の海」と歌っているにも関わらず、

    このミュージックビデオのロケ地は千葉の館山市にある根本海水浴場。笑

     

    そんなMVに出てきていた『MUSIC VIDEO』的表現はこちら。

     

    ・倍速

     車で走っている光景の部分

     

    ・スロー

     ケンカのシーンの部分など、ちょこちょこ入っています

     

    ・コマ撮り

     2番頭のラケットもってふたりで対決しているシーン

     (このカット、唐突に入ってくるのが個人的には謎)

     (全体的に謎が多いPVだけど)

     

    ・果物もってる

     正確にいうとレモンの形をした爆弾ですが、まあレモンでしょう。

     (このシーンはまさに梶井基次郎の『檸檬』を彷彿とさせますよね)

     

    ・壊す

     最後のシーンで車爆破させてる。

     

    ・燃やす

     爆破した車が燃えてる。

     

    ・浜辺を歩く

     曲がほぼ終わりに差し掛かるところで、大橋卓弥常田真太郎

     車のトランクに閉じ込めたあと、浜辺を少し歩いている。

     

    ・外でギター弾いてるけど電源引いてない

     ギターの電源が引かれていないどころか、鍵盤の電源もどこへやら。笑

     

    以上8つでした。

    このMVは「MUSIC VIDEO」の音源が世に出るよりもずっと前のもの。

    前後で表現手法に変化が出ているのかを比較してみてもおもしろいかも

    しれませんね。

    このシリーズが続いてデータがたまったら、まとめてみようかなと思いました。

     

    * 

     

    MUSIC VIDEO検証結果(2017年2月6日現在)

    ※赤字部分は今回更新箇所

    1. カメラ目線で歩きながら歌う 1
    2. 急に横からメンバー出てくる 1
    3. カメラを手で隠して次のカットで場所移動
    4. 倍速 1
    5. スロー 2
    6. コマ撮り 1
    7. モノクロの映像
    8. 淡い映像 1
    9. ザラついた映像
    10. 分身
    11. 女の子が泣く
    12. 女の子が踊る 1
    13. 女の子が窓にもたれかかる
    14. 女の子が倒れる
    15. 2分割で男女歩いて最終的に出会う
    16. 仲良い人やお世話になっている人を別撮りで歌わせる
    17. 何台かのテレビから砂嵐
    18. 見習いっぽいやつ店の前で落ち込む
    19. オシャレな夜の街
    20. 光がボケる
    21. 果物もってる 1
    22. ケーキを顔面にぶつける
    23. 歌詞を画面いっぱいに貼り付ける
    24. ビンタ
    25. 交差点に立つ
    26. オフショットで笑顔
    27. 壊す 1
    28. 燃やす 1
    29. フェンス越しに儚げな顔
    30. 浜辺を歩く 1
    31. 何らかのキャラクター
    32. 何かをひたすらこぼす
    33. 外でギター弾いてるけど電源引いてない 1
    34. 何かを拾って振り返る