Murmur...

アラサーといいたくないけど徐々に30の扉が見えてきている女子が好きな音楽を中心にまとまった言葉を語りたいときに語る場所。

脳内のフィルムが縺れ出す

―毎秒、君に恋してる/松室政哉

 

このフレーズ、秀逸だと思うんですよね。

脳内にフィルムがあると形容しているところもドラマチックだなと思うし、

「縺れる(もつれる)」って言葉には

1.糸や髪の毛などがからみ合ってほどけなくなる。
2.言語・動作が思い通りにできなくなる。
3.感情や事情がこみいって収拾がつかなくなる。こじれる。紛糾する。

(引用元:Weblio辞書

という複数の意味合いがあって、この歌詞に乗っかっている「縺れる」は

どれにも当てはまっているなと思います。

「脳内のフィルム」という仮想表現ではあるけど物理的な『縺れ』と

2Aメロの「時に見せる瞳の揺らぎ どんな風に受け止めたらいいの?」

って歌っている主人公の、相手の動作を踏まえて

どう動いたらいいのかわからなくなっている『縺れ』、

そして「何気ない仕草 一つ一つが僕を狂わすんだ」っていう

主人公の感情の『縺れ』。

 

物理的・動作的・感情的な動きをひとことでどう表すかって

なったときに、『縺れる』という単語がわたしにはひねり出せないなぁ…。

人の使う言葉を見て、はっとすること、たくさんあります。

わたしには、まだまだ語彙力が足りていないなぁ、とも。

「語彙」って覚えるだけじゃだめで、応用できなきゃ

まったく意味がないんですよね。

ドラマチックな言葉を綴る機会はあまりないのだけど、

このフレーズは、覚えておきたい言葉の使い方のひとつです。

 

* * *

 

この土日で、何本かライブを観てきました。

土曜日は、スキマスイッチTOUR2018「ALGOrhythm」@仙台サンプラザ公演を、

そして日曜日は、神戸アコフェスに行ってきました。
わたしはどこに住んでいるのでしょうか?そういうツッコミはなしでお願いします。笑

ちょっとこの土日に思ったこと・感じたことを書いてみようかなと思います。

曲名や構成のネタバレはしません!

と言いながらも、わたしの思ったこと・感じたことを書いていると

勘の良い人は察してしまうかもしれないので、

「わたしはシックスセンスを持っているわ」とか

「人の心を読むのがうまいの」という人は

ここでブラウザバックしていただけますと幸いです。

 

* * *


◆「ALGOrhythm」のなかでオープニングアクトをやってた人のはなし@仙台

こんなに回りくどく言わなくてもいいじゃないかと自分でも思うのですが、

松室政哉のはなし。

ツアー初日 カルッツかわさき公演にも足を運んでいたので、

彼がスキマスイッチオープニングアクトを務める様子を見るのは2度目。

川崎のときは、ツアー初日だからお客さんもみんなそわそわしていて、

そんなそわそわが彼自身にも少し伝染していたような気がして。

(2階席からだったので、彼の表情など細かいところは見えていないのだけど)

でも、仙台はちょっと会場を見渡す余裕が見られたような気がしたし、

彼が発したある言葉に対して会場から起きた拍手に

「わっ、(仙台の人)やさしい」って、ちょっとほっとしたような、

うれしそうな安堵の言葉を漏らしていたりもしていました。

やっぱり「先輩のステージを借りて歌わせてもらっている」という立場なので、

話のペースとか、内容も良い意味で『よそゆき』というか、控えめだなと

普段のバリバリすぎないけどテンポ感ある関西弁のMCを聞いていると

思っちゃうんだけど、

時と場合に応じて自分の出し方、担うべき役割・ポジションの在り方を

変えられるところも彼の良さだなと思いました。


わたしは、『あの曲』がたくさんの人に聞かれて、

広がっていく様子を見られるのがすごくうれしいです。

仙台は、席の位置的に『あの曲』にたくさんの人が耳を傾けている姿が

客観的に観れてしまったからか、涙が止まらなくて

途中からずっと俯いてしまったわたし。

本当は、一分一秒たりとも逃したくない瞬間なはずなのにね。

この曲を聴くと、あの日、この曲に出会わせてくれた

ある人に感謝しなきゃなと思います。

あの日の思い出は、今も鮮明に覚えているので。

何の曲かわからないように書こうとするとなんのこっちゃ、って話ですね。

このあたりは、ツアーが終わってから存分に語りたいところです。

 

◆「ALGOrhythm」のはなし@仙台

ツアー2本目。

ツアー初日の川崎で抱いていた印象は、

「いつものツアー初日よりも既に熟成している」ということ。

オリジナルアルバムを引っ提げてのツアーは約3年ぶりで、

初日ならではな緊張感はもちろんあったのだけど、

ひさしぶりだからこその気合いの入り方を十分に感じたステージでした。

こりゃ、このツアー回数を重ねるごとに恐ろしさを増していくぞと思っていたら、

2本目にして既に恐ろしさが増していました。笑

『遊びっぽい』というと、いつでも本気な人たちには失礼かもしれないですが、

良い意味で肩の力が抜けた、

オリジナルアルバムを引っ提げてツアーをするという

ルーティーンから抜け出したツアーを経験したことで、

バンドメンバーたちと『音で会話する』という余裕や

同じ間合いをとるということが、「あえてやろう」としなくても

できるようになったのかな、なんてことを感じたりも。

目と目で会話するところ、

目を合わせなくても同じタイミングで同じ音を出せるところ、

誰かがちょっといつもと違うことをしたときに

(いつもって言ってもまだ1回しかやってないけど。笑)

それにすぐ呼応して他の人も新しいことをやってみようとするところ。

音楽をやっている人が、その文字の通り『音を楽しんでいる』さまは、

見ていてとても楽しいです。

そんな楽しい瞬間を、何ひとつ見逃したくないと思ってしまうのだけど、

目も耳もふたつしかないし、記憶できる脳の容量にも限りがあるし、

なかなか全部は見られないのが悲しくもあるところ。

「あの人が今日あそこであんなことしてたよ」っていうのを、

友達たちと終演後に答え合わせをするのも、ツアーの楽しみです。

そんな話をする時間があまりとれない平日公演はちょっと消化不良で

なかなか寝付けなかったりもするのだけど、

仙台ではたくさんそんな話をしたせいかとても気持ちよく眠りにつきました。

(前日からのハードスケジュールのせいもきっとあるけど。苦笑)

 

あんまり話すとネタバレをぽろっと言ってしまいそうなので、このへんで。

とりあえず、怒られなさそうな程度で言うと、

『違い』を楽しめる人になろうと思います。

音も見た目も。笑

 

◆神戸アコフェスのはなし
いろいろなアーティストをつまみ食いしてきたのですが、

ちゃんとフルで聞いたなかで印象に残っている2人の歌い手について

ここでは書いておこうかなと思います。

◎松室政哉(@北野工房のまち)

この人については、そりゃあ書くさ。笑

北野工房のまちは、ここ最近流行っている元学校だった建物を

再活用して商業施設にしているところ。

ここの3Fが講堂になっていて、そこがアコフェスの会場のひとつだったのです。

この日のむろくんのセットリストは

オレンジ
ラブソング。
Jungle Pop
毎秒、君に恋してる
きっと愛は不公平
ハジマリノ鐘

の計6曲。

「ハジマリノ鐘」は、講堂のグランドピアノをお借りして演奏していました。

 

「ラブソング。」を珍しく…というか

わたしが今までに観てきたライブのなかでは初めてじゃないかな。

キーを下げて歌っていて。

「きっと愛は不公平」の転調後も、ちゃんと出てるんだけど

いつもより苦しそうだなぁ、と思って…

やっぱりツアー帯同+移動の疲れもあるのかな。

でも、「きっと愛は不公平」のラスト「これぐらいはいいでしょ」の歌い方が

今まで聞いたのとちょっと違って、そのかすれた感じの声によって

余計切なさ増して聞こえて、

あえてなのか結果的にそう聞こえるようになってしまったのかはわからないけど、

胸をぐっと掴まれました。

(と言ってしまうのは推しの贔屓目になってしまうのかな…)

 

今回来てよかったなぁって思った瞬間は、「Jungle Pop」の演奏を

聴いたときでした。

スキマスイッチのツアーについていくようになってからの

彼の演奏の変化に気がつけたような気がしています。

オープニングアクトやってるときは、時間が短いせいもあって

なかなかむろくんの本当の良さが見えきらないなぁ…というもどかしさも

感じていたりはして。

もちろん、先輩のステージの前に歌わせてもらうのだから、

スタンスとしてはそれが正解なんだと思います。

でもやっぱり、松室政哉が「スキマスイッチの後輩」じゃなく

「松室政哉」として呼ばれてるステージに、

もっと言えばワンマンに彼の音楽はより純度高く、密度高く、

色濃く個性を発揮するんだろうなぁみたいなことを感じていて。

そりゃそうだわ、持ち時間だって違うし

在り方(あるべき佇まい)だって違うし、ってそんなのわかってます。

わかってるけど、フルなものを見ていたら感じるもどかしさは

やっぱりあると思うんですよね。少なくともわたしは感じてしまう。

 

だけど、もちろん彼がステージに出て、先輩のファンたちに

顔を売るんだとか、爪痕を残すんだとか、

そういうのも今回の意図のひとつとしてはあるのかもしれないけど、

それ以上に先輩たちのツアーに対する挑み方とか、

たくさんのお客さんたちに対する表現の仕方とか、

そういうのを吸収して自分のステージに投影する、

表現できるようにする、っていうのも今回意味合いとしては

あるのかなぁってこの日のステージを見て思いました。

まだ川崎、仙台と2公演しか終わってないのに、

いろんな曲のいろんなところで今まで見たことない表情とか

テクニックとか、聞いたことない歌い方とか表現の仕方を見ることができて。

夏フェスにコーラスで参加したときも

「ステージでこれぐらいの表現をしないと客席まで届かないのかと気づいた」

なんて言ってたけれど、今回のツアーでもそれを感じてるのかな、なんて

思ったりもしました。

(直接聞いてないからわたしが勝手に思ってるだけです、あくまでも)

この日の「Jungle Pop」は気迫に溢れていて、

油断すると飲み込まれてしまいそうで、

聞きながら、見ながら何度も自分の心を奮い立たせました。

強い感情のうねりを表現できる人の歌は、

自分を強く持っていないとすぐに飲み込まれて、流されていってしまう。

もうそれでいいや、それでどこまで行けるか見ものだ、と

波に飲み込まれにいく日もあるのだけど、

この日の「Jungle Pop」の気迫は、飲み込まれにいくんじゃなくて、

対峙しなきゃと、そんな風に思える歌でした。

ラスサビ前のカウントの取り方、間奏やアウトロのフェイクやスキャット

先輩のステージを見て感じたことを自分なりの形に昇華させているような気がしました。

まだ2本目でこれなんだから、全36本のツアー全部終わった時にどうなっているのかとても楽しみです。

ちょっと松室さんに男っぽさも感じたステージでした(珍しくね←ひとこと余計)

 

神田莉緒香(@nomadika)

対するこちらは、ものすごく「女性」らしさを感じたりおかちゃんのステージ。

今回の弾き語りツアーに行けないのが悔しくて、

アコフェスに行くのを決めた時から観にいこうと決めていたステージ。

26歳になったばかりの彼女は、25歳のときよりも

ずっとずっとオトナの女性になっていました。

前回見たのが11月のBLITZワンマンだから、

まだ半年ぐらいしか経っていないのに、あの時のアンコールに感じた

ちょっとどきっとするオトナの色っぽさがこの日は随所に感じられて。

これぐらいの歳の女の子って、急に大人びたり、

一瞬にして雰囲気が変わったり、本当にめまぐるしい。

「女の子」から「女性」に変わっていく瞬間。

「走れハリネズミ」だって、かわいくパワフルに歌っていた姿が

印象的だったのに、柔らかでありつつも芯の強い女性になった主人公が

そこにいて。

「愛と叫びたいんだ」と「めぐり」はオトナの女性。

まだ「大人」というほどではないから、

あえて「オトナ」って書いているのですが、

それが「大人」になる日もすぐ来てしまうんじゃないかな。

一瞬一瞬を見逃してはいけない女の子な気がします、神田莉緒香ちゃん。

Gooseのときから知ってたけど、ソロをちゃんと聴くようになったのは

完全に種子田さんやゆうこさんのおかげなんだけど、

儚そうな見た目と裏腹に意外とちゃきちゃきしてるところ、

かわいいところとオトナっぽいところ、

楽しい歌も切ない歌も歌えるところ、その多彩さはどうしても目を惹く存在。

女性シンガーソングライターってわたしなんだかんだあまり聴かないんだけど、

りおかちゃんはこれからもチェックしていきたい存在です。

 

* * *


アツく語ってたら長くなりすぎてしまいました。苦笑
読みづらくてごめんなさいね、というか

最後まで読んでくれてる人はいるのかな…?笑

いたとしたらありがとうございます。

こんな感じにライブの感想もちゃんと書くようにしていきたいな〜。

がんばって時間を作るようにしようと思います。